ブドウ品種のちょっと深いはなし Vol.1~CATARRATTO~

こちらの記事は、「Vino Hayashi Mag (2019年8 月7日更新)」の転載になります。

 

 

イタリアに2000種以上あるといわれる「土着品種」を、ひとつずつご紹介していきます。

 

第1回目は・・・
シチリア島の太陽と海風の恵みから生まれる『CATARRATTO/カタッラット』

 

カタッラットは、シチリア島の重要な白ブドウ品種で、シチリア島で幅広く栽培されています。

ほとんど研究がされてこなかったのですが、1696年の文献に「シチリアで最も古い白ブドウ品種」と記されていることから、3世紀以上前から栽培されていたと推測できます。1970年の国立生物分類群においてはそれぞれ独立した品種として「Catarratto Bianco Comune(カタッラット・ビアンコ・コムーネ)」と「Catarratto Bianco Lucido(カタッラット・ビアンコ・ルチド)」に区別されていましたが、最近の生物学研究の結果によると、同じ種ではあるが、2種類の遺伝子型とされました。

また、同じく1970年に学者Pastena氏は、カタラットの果房の違いで4つのタイプに分類しましたが、先の2種類に集約されました。

普及当時すでに、マルサラ酒の「ORO(オーロ)」と「AMBRA(アンブラ)」のタイプにおいてグリッロ種と共に主要構成品種とされていたため、トラーパニ県での生産量が多くなっています。

出来上がるワインの傾向は、濃いめの麦わら色でしっかりとしたボディーが特徴。複雑でフルーティな香り、適度な酸味でドライな味わいが感じられます。一般的に早飲みスタイルで仕上げられますが、多少の熟成のポテンシャルもあります。

 

Catarratto Bianco Comune(カタッラット・ビアンコ・コムーネ)

 

果房のサイズは中程度で、1~2つ羽が生えたような岐肩状で円筒形または円錐形。果粒も中程度の大きさで、円形または楕円形。密着度はさほど高くありません。果皮は非常に厚く黄金色。表面がやや蝋質の白い粉で覆われています。葉の表面は鮮やかな緑色。中程度の大きさで丸みを帯び五裂しています。

 

 

 

Catarratto Bianco Lucido(カタッラット・ビアンコ・ルチド)

 

果房のサイズはコムーネと同じく中程度で、円筒形または円錐形です。たまに岐肩があります。果粒は、密着度が高く、コムーネより小ぶりで円形または楕円形です。果皮は厚めで黄金色。表面が蝋質の白い粉で覆われておりつやがあります。葉の表面は鮮やかな緑色で毛はなく、小~中サイズで丸みを帯び五裂しています。

 

 

イタリアワインの土着品種とは?
土着品種とは、一般的に、その土地で生まれ育った固有の遺伝子型をもつ品種のことを指します。イタリアの土着品種2,000種を超えるとも言われています。南北に長いイタリアの国土、海と山に囲まれた地形、多様な気候、全20州の国全土でワインが造られているという唯一無二の環境がその土着品種が生まれ、また、それぞれの地域がもつ複雑な長い歴史と独自の文化がマイナーで作付けの少ない土着品種を守り抜いてきました。それゆえ、イタリアワインは複雑でつかみどころがありません。しかしその「多様性」こそがイタリアワインの魅力となっています。

 

 

 

-参考文献-

『土着品種で知るイタリアワイン』中川原まゆみ著(ガイアブックス)

『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン』宮嶋勲監修(ワイン王国)

『ワイン基礎用語集』遠藤誠監修(柴田書店)

『Guida ai Vitigni d’Italia』Slow Food Editore

『Il Vino Italiano』AIS-Associazione italiana Sommeliers

『VINO MANUALE PER ASPIRANTI INTENDITORI』Ophélie Neiman (GIUNTI)

『ATLANTE del VINO ITALIANO』Vittorio Manganelli – Alessandro Avataneo (LIBRERIA GIOGRAFICA)

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