ブドウ品種のちょっと深いはなし Vol.13~VERDICCHIO~

 

 

イタリアに2000種以上あるといわれる「土着品種」を、ひとつずつご紹介していきます。

 

第13回目は・・・
様々なワインに姿を変える『VERDICCHIO/ヴェルディッキオ』

 

 

 

 

マルケ州とヴェルディッキオには歴史上深い繋がりがあると考えられますが、古い書簡が残っておらず起源は不明です。中世後期になると、修道院へのブドウ畑の寄進や名義変更を証明する書類が数多く残っており、その畑でヴェルディッキオが栽培されていたと思われる記述が見られます。1569年の書類に初めて「ヴェルディッキオ」という呼び名が確認され、10年後にマテリカ出身の公証人のニコロ・アットゥッチ氏はヴェルディッキオが地元のブドウ品種であると明言しました。

 

17世紀にブドウ品種学者ミケーリ氏はヴェルディッキオについて研究を重ねましたが、ワイン用のブドウ品種として認められたのは18世紀の終わりです。19世紀の終わりに、ブドウ品種学者ディ・ロヴァゼンダ氏は「マルケ州の最も重要な白ブドウ品種はヴェルディッキオである」と明言しました。その後1970年にイタリア全国ブドウ品種記録書に登録されました。

1991年より、ヴェルディッキオはTrebbiano di Soave(トレッビアーノ・ディ・ソアヴェ)あるいはTrebbiano di Lugana (トレッビアーノ・ディ・ルガーナ)と同じ品種だと考えられ始めましたが、より深い研究の結果、同一のDNAを持つことが証明され、親類だと推定されていたヴェルデカ、ヴェルディーゾ、ヴェルデッロ、ヴェルデア、トレッビアーノ・トスカーノは無関係であることがわかりました。

名前の由来に関してはほぼ明確で、イタリア語でVerde(ヴェルデ)は緑色の意で、この品種は成熟しても緑がかったままであり、またワインにも緑色のニュアンスが現れるため、ブドウの色そのものからきていると考えられます。

 

ヴェルディッキオはマルケ州、主にアンコーナ県イエージの町を囲んでいる丘で栽培されています。また、マチェラータ県の丘陵地帯もエリアは小さいものの、同様に重要なエリアです。

Verdicchio dei Castelli di Jesi、Verdicchio di Matelica、Esino BiancoのDOCはヴェルディッキオ100%で造られることが多くなっています。プーリア州、ウンブリア州、ロマーニャ地方、アブルッツォ州でも少量栽培されていますが別名で呼ばれていることも多く、ラツィオ州のカステッリ・ロマーニのエリアではトレッビアーノ・ヴェルデの呼び名で広まっています。ガルダ・ヴェローナエリアではDOC Luganaを代表とする銘柄の主要品種、トレッビアーノ・ディ・ルガーナとして知られています。

 

 

 

房の大きさは中程度で、ピラミッド形あるいは円筒円錐形。比較的密着しており、1つか2つの岐肩を持ちます。果粒も中程度の大きさで、円形。果皮は薄いがしっかりしています。黄色がかった緑色で、表面が蠟質の白い粉で覆われています。内陸のエリアではゆっくり成熟し、10月上旬に収穫。イエージのエリアでは収穫が9月下旬から始まります。

葉の大きさは中程度で、五角形で三裂か五裂。上部はでこぼこしており、濃い緑色。

 

クオリティーの高いスティルワインはもちろん、スパークリングワイン、デザートワインまで造られます。長期にわたってステンレスタンク熟成の早飲みタイプのものが主流でありましたが、90年代より、大樽・小樽熟成、遅摘み等の製造方法が試され、複雑な香りやストラクチャーのある長期熟成向きのエレガントなワインが生み出されるようになりました。八角、白色系の花、ドライフルーツの香りが漂い、口中でアーモンドを思い出させるアロマや塩味が感じられます。

 

 

 

 

イタリアワインの土着品種とは?

土着品種とは、一般的に、その土地で生まれ育った固有の遺伝子型をもつ品種のことを指します。イタリアの土着品種2,000種を超えるとも言われています。南北に長いイタリアの国土、海と山に囲まれた地形、多様な気候、全20州の国全土でワインが造られているという唯一無二の環境がその土着品種が生まれ、また、それぞれの地域がもつ複雑な長い歴史と独自の文化がマイナーで作付けの少ない土着品種を守り抜いてきました。それゆえ、イタリアワインは複雑でつかみどころがありません。しかしその「多様性」こそがイタリアワインの魅力となっています。

 

 

 

参考文献:

『土着品種で知るイタリアワイン』中川原まゆみ著(ガイアブックス)

『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン』宮嶋勲監修(ワイン王国)

『ワイン基礎用語集』遠藤誠監修(柴田書店)

『Guida ai Vitigni d’Italia』Slow Food Editore

『Il Vino Italiano』AIS-Associazione italiana Sommeliers

『VINO MANUALE PER ASPIRANTI INTENDITORI』Ophélie Neiman (GIUNTI)

『ATLANTE del VINO ITALIANO』Vittorio Manganelli – Alessandro Avataneo (LIBRERIA GIOGRAFICA)

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Atlante dei Territori del Vino Italiano

 

 

 

 

 

 

 

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