イタリアワイン土着品種研究会Vol.31~LAMBRUSCOの歴史~

■ランブルスコ系品種

 

ランブルスコ種は、主にエミリア=ロマーニャ州のパルマより東のレッジョ・エミリア県、モデナ県とロンバルディア州のマントヴァ県に栽培されている黒ブドウ土着品種群の総称である。とりわけ、これらのブドウ品種から造られる同名の微発泡性の赤ワインが有名なところだが、その使用品種も含め現在14のランブルスコ系品種が登録されている。

 

ランブルスコ種に関して様々な歴史的文献が残っているが、その起源はエトゥルスキの時代まで遡ると言われる。紀元前2世紀、大カトーの『De Agri Cultura(農業論)』という著者において「種から育った野生のブドウ樹」のことを意味するLabrusca(ラブルスカ)という名称が確認されている。中世にはボローニャのLambrusca(ランブルスカ)と呼ばれるブドウ樹から造られたワインについての文献が見つかり、さらに1596年にバッチ氏が、野生のブドウの樹のことではなく一種のブドウ品種のことをLambrusco(ランブルスコ)と呼称した。

 

 

■白・黒ブドウのランブルスコ品種

 

長い歴史において、エミリア=ロマーニャ州のパダナ平野のような地域では、野生と栽培の線引きは非常に曖昧で、常に混乱をもたらしてきた。17世紀頃には、ようやく細かな品種分類や研究も行われるようになっていくが、当時でも50種類のランブルスコ種が存在し、そのうちの半数は白ブドウと言われる時代であった。その後、1906年にモロン氏が23種(うち白ブドウ1種)に訂正し、1960年代にはコズモ氏やポルシネッリ氏が、ランブルスコ種は10種のみで全て黒ブドウとした。

2001年のカロ氏による著書では全8種と選定されたが、近年の更なる研究で登録品種の増減があり、現在の14種(※)に至ったとされる。

 

※Registro Nazionale delle Varietà di Viteに登録されているランブルスコ系品種

 

1960年代までは、ランブルスコ種のワインは収穫翌年の春にボトル詰めが行われていた。伝統的にボトルの中に糖と酵母を残し再発酵させるが、澱がボトル内に残り、夏の暑い時期に攪拌をしてしまうとワインの質が落ちる傾向があった。そのため市場では多くが量り売りに限定されており、ボトル詰めは家で行われていたという。

 

1970年代になると、畑や醸造施設へテクノロジーが導入され、ワイン醸造により注意を払えるようになった。専用のステンレスタンクでスパークリングの工程(タンク内二次発酵)を行うことが可能になり、ワイナリーでのボトル詰めも問題がなくなった。今日では、澱を残してボトル内の再発酵を必要とするランブルスコのワインは珍しくなった。

 

 

イタリアワインの土着品種とは?

土着品種とは、一般的に、その土地で生まれ育った固有の遺伝子型をもつ品種のことを指します。イタリアの土着品種2,000種を超えるとも言われています。南北に長いイタリアの国土、海と山に囲まれた地形、多様な気候、全20州の国全土でワインが造られているという唯一無二の環境がその土着品種が生まれ、また、それぞれの地域がもつ複雑な長い歴史と独自の文化がマイナーで作付けの少ない土着品種を守り抜いてきました。それゆえ、イタリアワインは複雑でつかみどころがありません。しかしその「多様性」こそがイタリアワインの魅力となっています。

 

 

 

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