イタリアワイン土着品種研究会Vol35~CANNONAUの歴史 ~

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カンノナウは、主にサルデーニャ州にて栽培されている土着の黒ブドウ品種である。同州で最も生産されている重要なブドウ品種であり、フランスのグルナッシュやスペインのガルナッチャなどのブドウ品種と形態学的に親和性があることがわかっている。その歴史については、アラゴン王国支配下の1400年代にスペインから持ち込まれたというスペイン起源説が長く定説であったが、近年の研究においては新たな説が有力視されている。

 

2002年に、ヌオーロ県ボーロレのDuos Nuraghesの遺跡では紀元前1300年に遡る多くのブドウの種子が発見され、そのいくつかの種子は現存する野生のブドウ品種系に属していた。中にはその品種系統とヴィティス・ヴィニフェラ系の品種との中間的な特徴を持つ種子も発見されたという。フランスの生物考古学者Philippe Marinvalは、野生品種とカンノナウ種である可能性を支持した。

 

その後、ミラノのビコッカ大学とCRAS※1(州立農業学研究所)およびサルデーニャ州の研究者Gianni Lovicu氏による調査においても、Villanovaforru、Villanovafranca、Nuraghe Arrubiu di Orroliなどの地域における遺跡の考古学的調査、発掘中にカンノナウと関連性の高いブドウの種子が発見された。その種子は、岩に掘られた井戸のような造りの“食料保管庫”で、他のナッツ類、マメ科の植物などと長期に渡り保存されたもので非常に状態が良く、ローマ人やフェニキア人が到着するかなり前にサルデーニャではブドウ栽培が行われていたことの証明となった。

 

このような発見と遺伝的研究、調査によってカンノナウは古くは東から伝わり、ワイン造りの伝統をもつサルデーニャ人によって栽培され、フェニキア人やスペインなどの植民者によって大きく広まったという説が支持されるようになった。

 

また、スペインのガルナッチャの赤ワインとしての最古の公式文書は1734年であるのに対し、サルデーニャにおけるカンノナウの最古の公式文書はカリアリの1549年であり、新たな説が支持される物証の1つとなっている。

 

※1 Centro Regionale Agrario Sperimentale

 

 

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