イタリアワイン土着品種研究会Vol.35~CANNONAUの品種分析とアッビナメント~

記事イメージ

 

今回は、主にサルデーニャ州にて栽培されている土着の黒ブドウ品種。同州で最も生産されている重要なブドウ品種『カンノナウ』の品種分析とアッビナメント解説させていただきます。

 

 

◆品種分析

 

外観

濃淡は平均してやや淡い印象のものが多く、透明感のあるガーネット色である。若いヴィンテージでもややオレンジがかっている傾向にある。アントシアニン量が少なく、また酸化が進みやすいと思われる。粘性は強い。

 

香り

ラズベリー、イチゴ、レッドチェリー、レッドプラムなどの赤いフルーツを加工してジャムやコンポートにしたような甘い香り、凝縮感のあるものには黒系果実の要素もある。萎れかけたバラや牡丹を連想させる赤い花の香り、またホワイトペッパー、シナモン、甘草などのスパイス、一部にハーブ(ローズマリーやオレガノ)も感じられた。瓶熟成の進んだものは、なめし革、森の下草などがあった。

 

味わい

充実した赤い果実の風味はまろやかで、酸は中程度の印象でアルコールは強い傾向がある。タンニンはやや粗く野性的に感じるものもあったが、大半はきめ細かく整った印象で収斂性も十分にあった。骨太でふくよかさがあり、ボディは大きめで、熟成が進んでいるものほどスパイスとナッツの風味が増しているように感じた。

 

 

 

◆アッビナメントのポイントは?

 

リストランテで楽しむ洗練された料理というより、素朴で温かみを感じる郷土料理に寄り添ってくれるワインが多いように思う。
サルデーニャの郷土料理「ポルチェッドゥ」は伝統的にはミルトの葉で包んだ子豚を土中で蒸し焼きにし、今では炭火焼きやローストにすることが多いが、ほんのりミルトの香りが移り、皮まで香ばしくジューシーに焼き上げられた子豚の味わいに、カンノナウのチャーミングな赤い果実、ハーブ、スパイス、土っぽさ、動物的な風味が見事な調和をみせてくれそうだ。また、香草を添えて焼き上げた羊や山羊の焼き物、凝縮感とほどよい熟成感のあるリゼルヴァタイプには羊などの赤身肉のスパイシーな煮込み料理も良い。

 

気軽に楽しむならサラミやサルシッチャなどの食肉加工品や羊乳のペコリーノチーズとともに。甘やかな果実味とオリエンタルスパイスの要素があることから、黒酢の酢豚や豚の角煮、五香粉やオールスパイスを使用した肉料理、またレバーやハツなどの串焼き(タレ)とも楽しめそうだ。

 

●生産者おススメ料理は?

Porchetto allo Spiedo(仔豚の串焼き)/Malloreddus a sa Campidanesa(カンピダーノ風マッロレッドゥス)
その他、ウナギのグリル/熟成したチーズなど。

 

 

 

イタリアワインの土着品種とは?

土着品種とは、一般的に、その土地で生まれ育った固有の遺伝子型をもつ品種のことを指します。イタリアの土着品種2,000種を超えるとも言われています。南北に長いイタリアの国土、海と山に囲まれた地形、多様な気候、全20州の国全土でワインが造られているという唯一無二の環境がその土着品種が生まれ、また、それぞれの地域がもつ複雑な長い歴史と独自の文化がマイナーで作付けの少ない土着品種を守り抜いてきました。それゆえ、イタリアワインは複雑でつかみどころがありません。しかしその「多様性」こそがイタリアワインの魅力となっています。

 

 

 

イタリアワイン土着品種研究会はこちら

 

 

 

一覧へ戻る