イタリアワイン土着品種研究会Vol.36~NERO D‘AVOLAの品種分析とアッビナメント~

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今回は、シチリア州の黒ブドウで最も大きな栽培面積があり、原産地呼称ワインはシチリア州の広い範囲で生産され、20ほどのDOCで主要ブドウ品種として認可されている『ネロ・ダーヴォラ』の品種分析とアッビナメント解説させていただきます。

 

 

◆品種分析

 

外観

濃淡は中程度から濃いめの暗赤色。若いものはやや紫がかっているが紫の色調はそれほど強くない。粘性は強い。

 

香り

良く熟したチェリーやプラム、それらを加工したジャムやコンポートのような甘い香りがしっかりと感じられるものが多い。時折、ハーブや植物系のやや青っぽい香り、ペッパーを感じることがある。特に樽熟成したものからは甘い香りのスパイス類(甘草、クローヴ、八角など)やチョコレートの香りが感じられる。熟成が進むとなめし革やタバコ、ナッツの香りに発展していた。また、ネロ・ダーヴォラの甘い香りは、シチリア南東部でよく見かけるカッルーバ(イナゴマメ)の実を連想させる。

 

味わい

ジャムのようなたっぷりとした果実味を持ち、酸は中程度の印象で果実味を引き立てる。アルコールは強い。タンニンはやや多く厚みがあるが、よく熟しているようで厳しいものではない。肉付きの良いふくよかなボディ、フルーティーで親しみやすい味わいのものが多かった。

 

 

 

◆アッビナメントのポイントは?

 

ネロ・ダーヴォラのワインの持つ濃厚な果実味は、トマトソースを煮詰めたような甘酸っぱさと通じるところがある。シチリア料理で多用されるトマトソースを使用したパスタ料理や煮込み料理、焼き物類とは、良い調和のアッビナメントとなりそうだ。食材としては野菜類から魚介類、白身肉から赤身肉まで、守備範囲は広い。
ジャムのような風味があるので、チーズとも相性が良い。チーズの塩味がワインの果実味を引き立て、さらにチーズの塩気をワインがまろやかに包んでくれるだろう。
アンチョビをアクセントに使用した塩気の強い料理とも相性が良さそう。イワシのベッカフィーコは、中にアンチョビやレーズン、松の実、パン粉などを詰めてオーブン焼きにするが、塩味だけでなく、レーズンや松の実などの要素も、ネロ・ダーヴォラのワインと料理を繋ぐ橋となってくれる。
その他、グリルやソテーにした牛肉や豚肉、ジビエなどにも良い。
アメリカンスタイルのハンバーガーランチや、甘辛いタレを絡めたウナギの蒲焼とも楽しめそうだ。

 

●生産者おススメ料理は?

Beccafico(ベッカフィーコ)/Involtini alla Siciliana(シチリア風インボルティーニ)
その他、魚介のスープ/カポナータ/アランチーニ/蛸のグリルなど。

 

 

 

イタリアワインの土着品種とは?

土着品種とは、一般的に、その土地で生まれ育った固有の遺伝子型をもつ品種のことを指します。イタリアの土着品種2,000種を超えるとも言われています。南北に長いイタリアの国土、海と山に囲まれた地形、多様な気候、全20州の国全土でワインが造られているという唯一無二の環境がその土着品種が生まれ、また、それぞれの地域がもつ複雑な長い歴史と独自の文化がマイナーで作付けの少ない土着品種を守り抜いてきました。それゆえ、イタリアワインは複雑でつかみどころがありません。しかしその「多様性」こそがイタリアワインの魅力となっています。

 

 

 

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