ブドウ品種のちょっと深いはなし Vol.9~GRIGNOLINO~

 

 

イタリアに2000種以上あるといわれる「土着品種」を、ひとつずつご紹介していきます。

 

第9回目は・・・
ピエモンテの個性を魅力的に表現する『GRIGNOLINO/グリニョリーノ』

 

 

 

 

グリニョリーノはピエモンテ州アスティとカザーレの間のモンフェッラートの丘が原産の黒ブドウ品種です。過去には同じような名前でロンバルディア州やヴェネト州にも存在したことがありますが、近年はほぼこの限られた地域でのみ栽培されてきました。ピエモンテ州ではかつてBarbesino(バルベズィーノ)、ラテン語でBarbexinus(バルベクシヌス) として知られていたもので、また、ロンバルディア州のオルトレポー・パヴェーゼでもこの呼び名の記述があります。740年頃のものと思われる教会の書簡には、Barbesesino(バルベゼズィーノ)の名前で記述が残っていますが、同一品種かは定かではありません。

13世紀の公証人の記録が初出とされ、現在グリニョリーノが最も栽培されている地域、ヴァッレ・ヴァリゼンダにおいてその存在が確認されています。1825年にブドウ品種研究者のAcerbi氏が記した書簡には、ワイン以外に干しブドウやジャムなどの貯蔵用のブドウとしても使用されていたとあります。

 

また、エミリア・ロマーニャ州ピアチェンツァ県のボッビオ周辺ではかつて白ブドウとして存在していた、とありますがこれについても定かではありません。

品種の語源はアスティ方言のGrignòle(=種が多い)から来たのではないかとされています。

1970年、正式に国のブドウの品種登録がされました。

 

 

 

グリニョリーノはかつてもっと広く普及していた品種です。19世紀後半から西ヨーロッパで甚大な被害をもたらしたフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の影響もあり、その後全滅に近いほど減少しましたが、農夫達の努力により耐性のあるブドウ品種へと改良が重ねられました。今日では、グリニョリーノはピエモンテ州のブドウ栽培面積全体の約1% で、アスティ、モンフェッラート・カザレーゼ、アルバ近郊のランゲ地方に集中しています。

 

この品種は専らワイン醸造用として使用されます。グリニョリーノ100%のワインは、淡く澄んだルビー色が特徴的で、香りにはイチゴなどのフルーツに加え、レモンや赤い花、白コショウやクローブなどスパイスやハーブの複雑さも感じられます。味わいはフレッシュで心地よいミネラルがあり、色とは対照的な強いタンニンを持つがきめは細かいです。しばしばバルベーラやフレイザなど他の品種とブレンドされます。

 

果房のサイズは中~大程度で2つの岐肩を持つピラミッド型または円錐形。 果粒は小さめでやや楕円形、密着度は高い。 果皮は非常に薄く灰色がかった赤紫色。表面は蠟質の白い粉で覆われています。種は果粒1粒に対し4~5粒と通常より多くなっています。 乾いた砂質の土壌をもつ陽当たりの良い環境を好み、湿気を嫌うため、栽培は大変難しく収穫量は一定ではありません。完熟は遅めで、9月末から10月上旬に収穫されます。

葉の大きさは中程度で丸みを帯び、三裂、時に五裂しています。表面は毛がなく暗緑色。しわが多くざらざらしています。

 

 

 

 

イタリアワインの土着品種とは?

土着品種とは、一般的に、その土地で生まれ育った固有の遺伝子型をもつ品種のことを指します。イタリアの土着品種2,000種を超えるとも言われています。南北に長いイタリアの国土、海と山に囲まれた地形、多様な気候、全20州の国全土でワインが造られているという唯一無二の環境がその土着品種が生まれ、また、それぞれの地域がもつ複雑な長い歴史と独自の文化がマイナーで作付けの少ない土着品種を守り抜いてきました。それゆえ、イタリアワインは複雑でつかみどころがありません。しかしその「多様性」こそがイタリアワインの魅力となっています。

 

 

 

参考文献:

『土着品種で知るイタリアワイン』中川原まゆみ著(ガイアブックス)

『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル イタリアワイン』宮嶋勲監修(ワイン王国)

『ワイン基礎用語集』遠藤誠監修(柴田書店)

『Guida ai Vitigni d’Italia』Slow Food Editore

『Il Vino Italiano』AIS-Associazione italiana Sommeliers 

『VINO MANUALE PER ASPIRANTI INTENDITORI』Ophélie Neiman (GIUNTI)

『ATLANTE del VINO ITALIANO』Vittorio Manganelli – Alessandro Avataneo (LIBRERIA GIOGRAFICA)

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